卵アレルギーの家族がいてもハンバーグやパンケーキを同じテーブルで楽しみたい――そんな願いは代用食材を知れば叶います。植物性の“つなぎ”は安全性が高く手軽に手に入るものばかり。ここでは代表的な代用品の栄養や使い方をまとめ、失敗しない配合バランスまで紹介します。
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卵アレルギーでも料理を諦めない
植物性食材で安全に結着できる
卵は日本の食物アレルギー原因の約4割を占めるため、除去食の需要は年々増加しています。結着や保湿に必要な卵成分は、水溶性食物繊維や植物性たんぱく質で十分代替が可能です。例えばフラックスシードは水と混ぜるとペクチンがゲル化し、ひき肉200gに対して大さじ1加えるだけで焼成時の崩壊率を12%以内に抑制。また豆由来のアクアファバは泡立ち性が高く、メレンゲ系スイーツにも対応できる点からヴィーガン業界でも定番になっています。
代表的な代用品と栄養比較
フラックスシードとアクアファバが使いやすい
代用品の筆頭はフラックスシード(粉末)とひよこ豆の煮汁アクアファバの2つ。フラックスシード10g当たり食物繊維3.8g、α‐リノレン酸1.7gを含み、卵では摂れないオメガ3系脂肪酸を補給できます。一方アクアファバ45mlはカロリー約9kcal、たんぱく質0.6gと低エネルギー。β‐ガラクトマンナンの粘性で泡保持率が卵白の90%に達し、マカロンやシフォンケーキでも高さを維持できることが試験で確認されています。
代用品ごとの使い方と分量
1個分はフラックスシード10g+水30ml
・フラックスシード:粉10g+水30mlを混ぜ10分膨潤させたら卵1個分。ハンバーグ300gに入れる場合、牛乳を大さじ1減らすと生地硬度を揃えられます。
・チアシード:粉10g+水40mlで強い粘度。焼き菓子より蒸しパン向き。
・アクアファバ:45mlで卵白1個分。角が立つまで泡立て、砂糖を加えてマカロン生地へ。
・絹ごし豆腐:60gで全卵1個分の保湿力。ブラウニーやパウンドケーキがしっとり仕上がります。どの代用品も元レシピの液体を5~10%減らすと焼成後の沈み込みを防げます。
上手に置き換えるコツと注意点
水分調整と加熱時間を少し変える
植物性ゲルは卵に比べて凝固温度が5〜10℃高く、中心温度が上がるまで時間を要します。オーブン料理では設定温度を5℃上げるか焼成時間を5%延ばすと生焼けを防げます。逆にフライパン料理は火加減を中火から弱火寄りにし、ふたをして内部温度を均一化すると崩れにくくなります。味が薄まったと感じたら塩分を0.2%、または醤油小さじ1/3増やすだけで全体の風味が締まり、卵入りレシピと遜色ない満足感が得られます。