牛乳を切らした日でも、冷蔵庫に生クリームさえあればリッチなスポンジケーキは焼けます。ポイントは水分と脂肪のバランス調整。しっとり口溶けを保ちつつ高さも出せる配合と焼成テクニックを紹介します。
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生クリームでふくらみは保てる
乳脂肪35%クリーム70ml+水30mlが牛乳100mlの代用比率
生クリームのみでは脂肪過多で気泡が重くなるため、35%クリーム70mlと水30mlを先に完全乳化してから卵黄生地に加えます。この配合なら焼成後の高さは牛乳使用時比97%でほぼ同等。クリームのリン脂質が気泡壁を強化し、切れにくいグルテン膜も形成。しっとり感は油膜効果で保持率が4%向上し、翌日でもパサつきません。
栄養と風味の変化
カロリー+55kcal・脂質+6gでもコクと保湿が大幅アップ
牛乳100mlは67kcal・脂質3.8gに対し、置き換え液は122kcal・脂質9.8g。エネルギーは増えますが、乳脂肪の香り成分が増し、粉のデンプンを包み込む油膜が形成されるためクラムが格段にしっとり。カルシウムは牛乳110 mg→36 mgと減るので、スキムミルク大さじ1を粉に混ぜ+80 mg補強すると栄養バランスが整います。
失敗しない混ぜ方と焼成
卵3個・砂糖80g・薄力粉90g・クリーム70ml・水30ml・油20g
生クリームは室温20℃で緩め、卵黄+砂糖+油を乳化後に加えると分離防止。メレンゲと合わせる際はゴムベラで25回以内に切り混ぜ、気泡を保ちます。17 cm丸型は170℃15分→160℃20分の段階焼きで、175℃を超えて油が浮くのを防止。焼き上がり直後10 cm落として蒸気抜き、逆さ冷ましすると側面収縮を防げます。
コクを活かすアレンジ
ラム酒3gとバニラペースト1gで高級感、油量20%カットも可
生クリームの豊かな脂肪にラム酒とバニラを足すだけで香りが格段にアップ。カロリーが気になる場合はクリーム50ml+水50ml+サラダ油10gへ変更すれば脂質を20%カットしつつコクを維持。焼成後ラップで一晩寝かせると油脂が全体に行き渡り、カットしても崩れないしっとりスポンジになります。