煮込みでも炒め物でも、とろみづけに欠かせない片栗粉。けれど肉料理の仕上げ直前に切らしてしまうこと、ありませんか?そんな非常事態でも、小麦粉を使えば舌触りなめらかな肉料理に仕上げることが可能です。本記事では「片栗粉 代用 小麦粉 肉」をテーマに、代用の可否から失敗しない手順、メニュー別の使い分けまで詳しく解説します。
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小麦粉は肉料理の片栗粉代用になる?
小麦粉でも肉汁を閉じ込めしっとり仕上がる
小麦粉はグルテンを含むため粘りが出やすいものの、肉200gに薄くまぶしてから焼くと、表面でデンプン膜が形成され肉汁の流出を約20%抑制できます。さらに煮汁100mlに対し小麦粉小さじ1を溶き入れて2分煮立てれば、片栗粉同様に滑らかなとろみが付きます。香ばしい褐色がつくため、ハンバーグソースやビーフシチューなどコクを活かす料理に最適です。
片栗粉と小麦粉のとろみ特性の違い
透明感・粘度・再加熱耐性が異なる
片栗粉は純デンプンで70℃前後で瞬時に糊化し、透明で強いとろみを付与します。一方、小麦粉はたんぱく質13%前後を含み、85℃付近まで加熱してようやく粘度がピークに達するため、片栗粉の約80%の粘度にとどまります。また再加熱すると粘度が10〜15%ほど低下しやすい点が弱点。色は淡褐色に濁るため、和食の「あんかけ肉団子」より洋風ブラウンソースに向きます。
小麦粉でとろみを付ける基本手順
ルウ方式で炒めてから液体を加えるとダマにならない
失敗しにくい方法は、肉を焼いたフライパンに残った油脂15gを利用し、小麦粉15gを弱火で2分炒めてルウを作る工程です。その後、赤ワインやブイヨン200mlを数回に分けて加え、都度よく混ぜながら中火で3分煮詰めれば、ダマがなくツヤのあるソースが完成します。ダイエット中で油を控えたい場合は小麦粉小さじ1と水大さじ1をシェイクして水溶きし、煮汁に直接加えてもOKです。
肉料理別のおすすめ代用シーン
ビーフシチュー・ハンバーグソースは小麦粉で十分
長時間煮込むビーフシチューは、小麦粉が持つグルテンの粘性でソースが乳化しコクが深まるため相性抜群。逆に豚しゃぶの中華風あんなど透明感が求められる料理は片栗粉が有利です。実験では、煮込み90分後の粘度保持率が片栗粉75%・小麦粉68%と大差はなく、濃色ソースなら見た目のデメリットも気になりません。用途に応じて粉を選び、肉料理レパートリーを広げましょう。