シチューやあんかけを仕上げる直前に「片栗粉が切れてる…」と気付くと焦りますよね。そんなとき、ストックしがちなゼラチンで代用できれば大助かり。本記事ではゼラチンの性質を踏まえ、片栗粉の代わりにとろみを付ける可否と実践法、注意点をまとめます。
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ゼラチンは片栗粉の代用になる?
冷めた料理ならゼラチンでとろみを付けられる
ゼラチンは動物性たんぱく質で、50〜60℃で溶けて15〜20℃で固まる性質があります。片栗粉のように熱いまま粘度を出すことはできませんが、冷製スープやデザートソースなど冷やしてからとろみを付ける用途なら十分代用可能です。熱いうちは液体のままなので、温かい煮物やあんかけには不向きという制約を理解しておきましょう。
片栗粉とゼラチンの違いを把握しよう
粘度発現温度とテクスチャーが根本的に異なる
片栗粉(でんぷん)は80℃付近で糊化して透明感あるとろみを瞬時に付与します。一方ゼラチンは冷却して初めてゲル化し、ぷるんとした弾力が出るのが特徴。100mlの液体に対し片栗粉小さじ1(約3g)でさらりとしたとろみが付くのに対し、ゼラチンの場合は板ゼラチン2gまたは粉ゼラチン2gで固まる強さに変わります。再加熱すると溶けてしまう点も大きな違いです。
ゼラチンでとろみを付ける手順
粉ゼラチン2%を60℃で溶かし冷却してゲル化
水100mlに粉ゼラチン2gをふやかし、60℃程度で完全に溶かした後、冷水や冷蔵庫で10〜15分冷やすと適度なとろみが出ます。液量が多い場合は1.5%でも緩めのゲルが作れます。ゼラチンは酸性が強い液体(pH3以下)だと固まりにくくなるため、レモン汁を多用するレシピでは量を1.2倍に増やすのがコツ。アルコール分が10%以上の液体でも凝固力が弱まるので注意が必要です。
ゼラチン代用は使いどころを選べば有効
温度管理と食感を理解すれば十分活用できる
ゼラチンは熱い料理の仕上げには適しませんが、冷製料理や作り置きデザートでは優秀なとろみ素材です。弾力ある食感が加わるため、スムージーやフルーツソースのテクスチャー調整にも活躍。常温では溶け出さないので持ち運びにも便利です。片栗粉とは用途が異なるものの、特徴を理解して使い分ければキッチンの失敗リスクを減らせます。