牛乳がなくてもグラタンは作れます。手元の生クリームを水で薄めれば、コクとまろやかさを保ったホワイトソースに。比率と温度管理を押さえれば分離せず、むしろリッチな仕上がりに。軽めと濃厚、目的別の置き換え術を解説します。
スポンサーリンク
⸻
牛乳がなくてもグラタンは作れる
生クリームを水で希釈すれば牛乳の役割を再現できる
生クリームは脂肪が多く原液のままだと重いですが、水で希釈すれば牛乳の「乳化・コク・保湿」を代替できます。目安は牛乳100mlに対し等脂肪なら生クリーム12ml+水88ml、より濃厚なら30ml+水70ml。ベシャメルの基本比率はバター:薄力粉:液体=1:1:10なので、液体300mlの場合は等脂肪なら生クリーム36ml+水264ml、濃厚なら生クリーム90ml+水210mlで安定したとろみと舌触りが得られます。
分離させないための火加減と順序
90℃を超えない弱火で、希釈してからルウに加える
分離の主因は高温と急な塩分・酸の投入。バターと小麦粉で作ったルウを一度火から外し、希釈した生クリームを数回に分けて混ぜ、弱火で温度を90℃未満に保つと滑らかに乳化します。塩や白ワインはとろみが付いた後に加えるとタンパク質の凝集を防止。再加熱も沸騰させず、鍋底がふつふつする程度に3分ほど保温すると小麦粉臭も抜け、翌日の温め直しでも油浮きが起きにくくなります。
実践レシピ(2人分)
バター30g・薄力粉30g・液体300ml(濃厚は生クリーム90ml+水210ml)
フライパンでバター30gを溶かし薄力粉30gを弱火で1〜2分炒めてルウに。火を止め、温めておいた希釈クリームを少量ずつ加えてのばします。弱火に戻してとろみが付くまで混ぜ、塩・白こしょうで調整。鶏肉やマカロニ、玉ねぎを別鍋で炒め合わせ、耐熱皿へ。ソースをかけチーズを散らし、オーブン230℃で10〜12分焼けば香ばしい焦げ目に。軽め配合(生クリーム36ml+水264ml)ならあっさり、濃厚配合はコク深く仕上がります。
栄養と味のチューニング
カロリーは配合で調整、コク不足は粉チーズで補う
牛乳100mlは約67kcal・脂質3.8g、35%生クリームは100ml約330kcal・脂質35g。濃厚配合(30:70)は100mlで約99kcalと牛乳より+32kcal、等脂肪(12:88)は脂質量が近く軽やかです。濃厚で重く感じる日はバターを10%減、逆に軽めで物足りなければ粉チーズ10g追加でカルシウム約110mgを補強し旨味もアップ。仕上げにナツメグ少々や味噌小さじ1/2を隠し味にすると香りとコクの輪郭が整います。