牛乳がなくてもシチューは作れます。鍵は生クリームの“希釈比率”と“温度管理”。水で薄めて脂肪と水分のバランスを整え、分離を防げば、コクはそのままむしろ濃厚に。カロリー調整や味のチューニングまで、代用の最適解をまとめました。
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牛乳がなくても生クリームで代用できる
乳脂肪35%の生クリームを水で薄めれば牛乳の役割を再現できる
生クリームは脂肪が多いぶん、そのままだと重くなりがちですが、水で希釈すれば牛乳の「コク・まろやかさ・乳化」を十分補えます。目安として、牛乳200mlの代用は生クリーム25ml+水175mlで“軽め”、生クリーム50ml+水150mlで“濃厚”。前者は脂質約8.8gで牛乳(約7.6g/200ml)と近く、後者はコク増し仕上げに最適です。いずれもルウと合わせる前に完全に混ぜておくとムラが出ず失敗しにくくなります。
代用がうまくいく理由と注意点
脂肪がコクを補い、85〜90℃を超えない加熱で分離を防げる
乳脂肪は舌触りを滑らかにし、旨味や香りのキャリアとして作用します。一方で高温や強い煮立ちは油水分離の原因。ルウを溶かして火を弱めた鍋に希釈した生クリームを加え、温度は85〜90℃を目安にキープ。塩や酸(ワイン・レモン)はたんぱく質を縮ませるため後入れが安全です。再加熱は弱火でゆっくり、沸騰させないこと。これだけで翌日の温め直しでも油浮きやざらつきを大幅に抑えられます。
配合の実例と作り方
軽めは25ml+175ml、濃厚は50ml+150mlで味を作り分ける
作り方の流れは次のとおり。1) バターと小麦粉を1:1で弱火で炒めルウを作る(例: 各30g)。2) いったん火を止めて水(またはだし)を数回に分けて加え、なめらかにのばす。3) 火を弱め、希釈した生クリームを注ぎ混ぜる。4) 85〜90℃で3分ほどとろみを安定させ、具材を戻す。軽め配合はカロリーを抑えたい日やあっさり系に、濃厚配合はグラタン風のコクを出したい日に向きます。味見で塩を整え、胡椒で輪郭をつけると全体が締まります。
仕上がり調整と栄養のバランス
バター量と塩分を微調整し、カルシウムは粉チーズで補える
濃厚配合は脂質と熱量が上がるため、バターを10〜15%減らすとバランスが取れます。逆に軽め配合でコク不足なら、追いバター5gか粉チーズ10gを仕上げに加えると旨味が一段アップし、カルシウムも約120mg強化。目安として牛乳200mlは約134kcal、生クリーム35%は100mlあたり約330kcal。代用量を調整しながら、家族の好みや体調に合わせて“軽さ”と“満足感”をチューニングしましょう。